「レトルト食品」は、調理済の食品をパックなどに入れて密封し、加圧加熱殺菌処理をした食品のこと。
温めるたけですぐに食べられて長期保存ができるなど、実に多くのメリットがあり、普段の食事はもちろん、災害時の非常食や備蓄食としても役立ちます。
ただ、長期保存が可能なレトルト食品にも賞味期限があり、安心して食べるためにも、しっかりと理解しておく必要があります。
この記事では、レトルト食品の特徴や食べ方、保存方法と併せて、レトルト食品の賞味期限について徹底解説いたします。
目次
レトルト食品とは?その特徴とメリット
レトルト食品は、温めるだけで手軽に食べられる点や、軽くて保存が利くなどさまざまな特徴やメリットがあり、日常生活に浸透している製品です。
最初に、レトルト食品とはどのようなものなのか、詳しく見ていきましょう。
レトルト食品の定義と種類
「レトルト食品」とは、気密性のある容器や包装に入れて密封し、加圧加熱殺菌処理をした食品のことを指します。
加圧加熱処理をする釜のことを「レトルト釜」といい、レトルト食品と呼ばれるようになりました。
レトルト食品は、入っている容器や包装によって、「レトルトパウチ詰食品」と「成型容器詰食品」の2種類に分類されます。
レトルトパウチ詰食品は、四方がシールされたパウチ袋に詰められたもので
透明パウチとアルミ箔パウチの2種類があり、サイズ展開や種類も多く、レトルト食品の主流となっています。
パウチ加工とは パウチ(英:pouch)は、「ポーチ」と同じ綴りで包み込むとか小袋を意味します。
一方、成型容器詰食品は、トレー状の容器に詰めてふたをシールしたものです。
透明トレーとアルミ箔トレーの2種類があり、容器のまま食べることもでき、代表例として白米が上げられます。
レトルト食品の製造工程と品質管理
レトルト食品は、大まかに以下の工程で製造されます。
1、鮮度や品質の良い食材を用意
2、具材の下ごしらえや調理
3、レトルトパウチへ充填
4、加圧加熱殺菌
5、冷却
6、完成
レトルト食品は、細菌を死滅させるための殺菌が重要なポイントとなり、中心温度120℃で4分間、またはこれと同等以上の加熱処理をしています。
また、品質の安全性を管理するために、製造過程での検査も欠かせません。
調理を終えた後や加圧加熱殺菌処理をした後には、品質検査や微生物検査などの複数の厳しいチェックを行っています。
レトルト食品の利用シーンと消費動向
レトルト食品は、普段の食事のメニューとして利用する以外にも、ストック用として購入する人が増加しています。
コンパクトなパッケージのレトルト食品は、場所を取らないためストックしておくのに便利で、いざという時にも役立ちます。
調理が簡単ですぐに食べられることからも、忙しい現代人のニーズにマッチした食品だと言えるでしょう。
2019年末からの新型コロナウィルス感染症の流行により「おうちごはん」というのが流行りました。
今まで外食をしていた方が自宅で料理をするようになりレトルト食品の生産量が増加しています。
その影響もあって家庭の食事の利用率でレトルト食品は2020年のある調査で約47.7%で冷凍食品やインスタントと並んで人気があります。
レトルト食品の賞味期限とは?どのように決められているのか
レトルト食品は、賞味期限が長く保存性が高いところも特徴の一つです。
レトルト食品の保存状態が悪いと、賞味期限前に傷むことはがあります。
レトルト食品は加圧過熱殺菌処理がされているため、菌の繁殖はなく、いわゆる「腐る」ことはありませんが、保存方法を間違えたり、袋が破損したりすると、酸化や変色などの劣化が起こります。
特にボツリヌス菌の食中毒は重篤な症状に陥る可能性もあるので、適正に保存し、賞味期限が切れる前に美味しくいただくことをおすすめします。
レトルト食品の保存方法は、製品によって異なりますが、一般的には以下の点に注意してください。
- 直射日光や高温多湿を避けて、15~25℃の涼しい場所で保管する
- 袋に穴が開いていないか確認する
- 袋を開封したらすぐに食べるか、冷蔵庫で保存する
- 袋を開けたら袋の中身を確認し、異常な色や臭いがないかチェックする
レトルト食品は便利でおいしいですが、安全に楽しむためには正しい保存方法を守ることが大切です。
そして賞味期限はどのように決められているのか、把握しておくことも大切です。
賞味期限と消費期限の違いと意味
「賞味期限」とは、賞味期限の定義は、食品表示法という法律で定められており、美味しく食べられる期限のことであり、比較的に傷みにくい食品に表示されています。
正しく保存をしていれば、賞味期限が過ぎても食べられないわけではありません。
「消費期限」とは、安全に食べられる期限のことであり、保存性が高くない食品に表示されています。
消費期限を過ぎると安全性が損なわれる場合もあり、たとえ消費期限内であっても、できるだけ早く食べるのがおすすめです。
「消費期限」は、「賞味期限」よりも強い表現となります。
参考サイト:農林水産省「子供の食育」
レトルト食品の賞味期限の基準と表示方法
レトルト食品の賞味期限は、微生物検査や理化学検査、官能試験などを含めて、科学的かつ合理的な根拠に基づいて期限が設定されます。
商品によって異なる場合がありますが、1~2年が賞味期限の目安です。
また、賞味期限は、消費者にわかりやすいように、「年」「月」「日」の順に表示されていますが、中には「年」「月」のみの表示の製品もあります。
レトルト食品の賞味期限切れ。期限を過ぎたらどうなる?食べても大丈夫なのか
レトルト食品の賞味期限が切れた途端、すぐに食べられなくなるわけではありません。
しかし、保存状態によっては食べられなくなる可能性もあります。
賞味期限を過ぎたレトルト食品の変化、さらに、食べる時の注意点などについても覚えておきましょう。
賞味期限を1ヵ月、半年、1年過ぎたレトルト食品の変化とリスク
多くの食品製造会社では、賞味期限からある程度余裕を持った期間を設定しているため、表示されている期間から1.25倍が基本と言われています。
1ヶ月程度の賞味期限切れであれば問題ないことが多いですが、1ヶ月以上過ぎた物は安全のため食べないほうがいいでしょう。
賞味期限から半年以上を過ぎた物は、たとえ未開封でも味や香りが劣化しています。
レトルト食品の賞味期限を1年も過ぎたら、安全に食べられる保証期間を過ぎているため食べることはおすすめできません。特に、肉や乳製品などの傷みやすい食品は注意が必要です。
加熱殺菌処理されていても細菌が繁殖している可能性があるため、食あたりなどのリスクが考えられます。
賞味期限を過ぎたレトルト食品を食べるときの判断基準と注意すること
賞味期限を過ぎたレトルト食品でも、基本的に食べることはできますが、変化がないかを確認する必要があります。
パウチが膨張している場合は、パウチ内で細菌が繁殖している可能性があるため、食べるのは危険です。
また、開封時に異臭がした場合も、腐っている証拠となるため、食べずに廃棄してください。
以下に1か月、3か月、半年すぎたレトルト食品を食べる際の判断基準をもう少し詳しく記載していますので、参考にしてみてください。
- 賞味期限を1ヶ月程度過ぎたレトルト食品は、保存状態が良ければ問題なく食べられることが多いです。ただし、袋に穴が開いていないか、変色や異臭がないかなどを確認してください
- 賞味期限を3ヶ月程度過ぎたレトルト食品は、風味や味が落ちている可能性が高くなります。特に肉や野菜など原材料が多いものは劣化しやすいです。開封前に袋を触ってみて、膨らんでいたり硬くなっていたりする場合は処分してください
- 賞味期限を半年以上過ぎたレトルト食品は、安全のために食べない方が良いでしょう。酸化によって油脂分が酸敗したり、ボツリヌス菌の毒素が発生したりする恐れがあります。ボツリヌス菌の毒素は加熱しても消えないので、重篤な食中毒になる可能性があります
レトルト食品の保存方法や加熱方法について
賞味期限が長くて保存食としても役立つレトルト食品も、保存方法を間違えると風味が損なわれてしまいます。
正しい保存方法や加熱方法を、頭に入れておくことも大切です。
レトルト食品の保存方法と効果
レトルト食品は、直射日光や高温多湿を避けて保管をするのが基本です。表示を確かめてその製品に合った保管を心がけること。
一般的には直射日光や高温多湿をさけて15℃から25℃の涼しい場所で保管することが大切です。
冷蔵庫や冷凍庫での保存は、品質に問題はありませんが、水分が分離して味や風味が損なわれる可能性があるため、避けるのが無難です。
冷凍保存すると、レトルト食品の味や食感に変化が起こる可能性があります 。特に肉や野菜など原材料が多いものは劣化しやすいです。レトルトの代表的なものにカレーがありますが、じゃがいもが入ったレトルト食品を冷凍すると、じゃがいもの食感がスカスカになる可能性があるので、やめましょう。
また、レトルトパウチを開封すると保存はできないため、残った場合には直ちに食べきりましょう。
レトルト食品の加熱方法とその注意点
レトルト食品は、湯煎または電子レンジを使って加熱をします。
湯煎で温める場合には、たっぷりのお湯でムラがないように全体的に温めます。
鍋のふちにレトルトパウチが触れると、穴が開く可能性があるため、全体がお湯につかるサイズの鍋を使用しましょう。
電子レンジを使用する場合には、レンジ対応の食器に中身を移し替えてラップをしてから温めます。その際は味が濃くなってしまうことがあるので少し水を足して調整することもできます。
レトルトパウチのまま電子レンジにかけると、マイクロ波を透過させず、吸収するため、中身が温まらないだけでなく火花が散って電子レンジを壊す恐れがあるため、必ず中身を移すなど注意が必要です。
また、一部の商品は電子レンジに対応している物については、別の容器に移し替えなくても加熱ができます。
レトルト食品を一度温めた後、未開封であれば再加熱して食べることができますが、温め中にパウチに傷が付いたり、何度も温めを繰り返したりするのはやめましょう。加熱を繰り返すことで、食感や風味が損なわれる可能性があります。
レトルト食品の再利用やアレンジ
レトルト食品は、未開封の状態であれば、一度温めても冷まして保存ができます。
ただ、温め直しを繰り返すのは風味が劣化する可能性があるため、おすすめはできません。
また、電子レンジ対応のレトルト食品は、一度加熱すると開封したのと同じ状態となるため、食べきる必要があります。
レトルト食品は、さまざまなアレンジができるところも魅力です。
例えば、レトルトカレーを使ったドリアやカレーうどんなど、レトルト食品をアレンジしたメニューも多数紹介されています。
・レトルトカレードリア:レトルトカレーをご飯にかけてチーズをのせてオーブンにいれて焼くだけで完成
・レトルトカレーうどん:レトルトカレーを水で薄めてめんつゆで味を調え、お好みでネギやお肉などを加えて完成
・レトルトハヤシライスで煮込みハンバーグ:レトルトハヤシライスを水とウスターソースで味を調えて焼いたハンバーグと煮込めば完成
まとめ
「レトルト食品」は、風味を損なわずに安心して食べるためにも、賞味期限や保存方法などを理解しておくのがおすすめです。
都給食では、今後ますます消費の増加が期待できる、レトルト事業を開始しました。
多くの企業が注目している分野でもあり、ニーズに合わせた魅力のある商品の開発に取り組んでいきます。
1973年 京都府城陽市で創業
社員食堂の運営を通じて顧客の人財確保と福利厚生制度の充実に貢献。
「食文化の向上」を企業理念とし、給食を価値ある食事にしていき、深い信頼と絆でさらに長くお付き合い頂ける企業を目指す。
◆事業内容◆
事業所や厚生施設、官公庁の庁舎、研修所における社員食堂及び、大学や高等学校専門学校 の学生食堂を運営。中小企業(30~40人の小規模事業所等)の 社員食堂事業を新事業として展開。レトルト事業開始。
主な得意先:HILLTOP株式会社(京都府)、株式会社神戸製鋼所、京セラ株式会社、京都産業大学、学校法人履正社、キユーピー醸造株式会社、キリンビール株式会社、他多数
◆実績・メディア掲載◆
ダイアモンドオンライン HILLTOP株式会社(京都府)様 取材
大阪中小企業投資育成株式会社 投資先企業
近畿経済産業局 関西企業フロントラインNEXT 新事業展開成功事例として取り上げられる