現代の生活には欠かせない食品として上げられるのが、「レトルト食品」と「インスタント食品」です。
都給食でも、時代のニーズに応えるべく、レトルト食品の事業を展開しています。
どちらも手軽で簡単に食べられる食品であり、長期保存が可能なことで備蓄食としても役立っています。
ただ、似ているようでそれぞれ異なるものを指しているため、レトルト食品とインスタント食品の違いを理解しておくことも大切です。

ここでは、それぞれの食品の定義や特徴、種類など、レトルトとインスタントの違いについてわかりやすく解説します。

 

はじめに

 

レトルト食品とインスタント食品は、どちらも長期間の保存がきいて簡単な調理で食べられるなど、便利なところが一番の特徴です。

しかし、似ているように見えても違いがあり、正しく理解をしている人は少ないかもしれません。

レトルトとインスタントは、それぞれに特徴があり、加工方法にも大きな違いがあります。

また、長期間の保存が可能とはいえ保存期間にも違いがあり、食べる際の調理方法も異なります。

便利な食品ながらも利用する際の課題があるため、違いについて頭に入れておくのがおすすめです。

 

レトルト食品とは

 

 

時代のニーズにもマッチして需要が高いことから、多くの企業で開発しているのがレトルト食品です。

レトルト食品とはどのようなものなのか、定義や特徴、歴史、種類などから見ていきましょう。

 

レトルト食品の定義と特徴

 

レトルト食品とは、調理した食品を袋詰めにして密封し、高圧加熱殺菌処理をした食品のこと。

「レトルト」は、加圧加熱処理を行う装置のことを言います。

レトルト食品は、しっかりと調理された状態の食品であり、湯煎や電子レンジで加熱をするだけですぐに食べられるところが特徴です。

中には、加熱をしなくてもそのまま食べられる物もあります。

また、高圧加熱殺菌をしているため、常温での長期保存が可能です。

袋詰めの状態で場所を取らず、ストックしやすいところも人気の理由の一つだと言えるでしょう。

レトルト食品とレトルトパウチ食品の違いとは

 

レトルト食品は、気密性及び遮光性を有する容器で密封し、加圧加熱殺菌を施した食品のことです。

広義には缶詰も含まれ、食品業界では加圧加熱殺菌食品全般を指します。

具体的にはカレーやシチュー、白米などがパウチや容器にはいっているものがあります。

一方、レトルトパウチ食品は特に袋状の容器に密封したものを指し、日本ではこれを「レトルト食品」と呼ぶことも広く定着しています。
レトルトパウチ(食品)は英語でもretort pouch (foods)と呼ばれています。

レトルトパウチ食品は遮光性がある袋状の容器に詰められた食品をさします。

また、レトルトパウチは、アルミニウム箔とプラスチックを3層に貼り合わせた包装材で、外装にポリエステル、中層がアルミ箔、食品と接する内層はポリエチレンかポリプロピレンが使われていることが多いです。

これにより、食品を長期間保存できるようになっています。

レトルト食品の歴史と種類

 

レトルト食品の原点である加熱殺菌をして保存する方法は、19世紀にフランスで開発されました。

その後、1950年代に入り、アメリカで軍用の保存食として開発され、宇宙食としても採用されています。

日本では、1968年に発売された「ボンカレー」がレトルト食品の第一号であり、さまざまな食品に利用して普及してきました。

レトルト食品にはさまざまな種類がありますが、レトルトカレーやレトルトシチュー、レトルトハンバーグなど、液状のものがほとんどです。

販売されている数多くのレトルト食品の中でも、レトルトカレーが多くを占めています。

 

インスタント食品(即席食品)とは

 

レトルト食品と似ているように見えるのが、インスタント食品(即席食品)です。

インスタント食品とはどのようなものなのか、定義や特徴、歴史、種類などを見ていきましょう。

 

インスタント食品の定義と特徴

 

インスタント食品とは、ほとんど調理をしなくても食べられるように加工されている食品のこと。

「インスタント」は日本語に訳すと「即席の」といった意味があり、即席食品とも呼ばれています。

元の食品を乾燥させたり粉末状にしてあり、水やお湯などを注いで食べるのがほとんどです。

固形の物が中心で、水やお湯を加えることで元の状態に再現できます。

乾燥した状態がメインのインスタント食品は、レトルト食品と同様に長期保存が可能です。

即座に手軽に食べられることで、保存食としても役立ちます。

インスタント食品のメリットとは

 

インスタント食品は手軽に栄養をとることが出来る以外にもメリットがあります。

  • 保存期間が長い: インスタント食品は長期保存が可能で、非常食としても利用できます
  • 手軽さ: 調理が簡単で、お湯を注ぐだけで食べられるものが多いため、忙しい時に便利です
  • 入手の容易さ: スーパーマーケットやコンビニエンスストアなど、幅広い場所で購入可能です
  • 価格が手頃: 一般的にインスタント食品は低価格でなので経済的です
  • 種類が豊富: 様々な種類のインスタント食品があり、選択肢が多いです
  • 栄養強化: インスタントラーメンなどでは、カルシウムやビタミンB1、B2などの栄養成分が強化されているので補助食品としても活用できる

ですが、インスタント食品だけに頼るのではなく、野菜や果物など他の食品と合わせて取り入れることが大事です。

 

インスタント食品の歴史と種類

 

インスタントの代表的な食品といえば、インスタントラーメンが上げられます。

粉末スープやフリーズドライの製造技術を駆使したインスタントラーメンは、1950年代に世界中に広まりました。

その後、さまざまな食品に製造技術が応用されて、現在では多くの商品が販売されています。

インスタント食品は、インスタントラーメンを代表とする麺類、コーヒーなど、固形のものがメインです。

 

乾燥や冷凍などの方法で、さまざまな食品が加工されています。

 

レトルト食品とインスタント食品の違い

 

レトルト食品とインスタント食品は、加工方法や保存期間、調理方法が異なります。

それぞれの違いについて、詳しく解説します。

 

加工方法の違い

 

レトルト食品は、調理済の食品を袋詰めにして密封し、高圧加熱殺菌処理をして加工しています。

しっかりと調理された状態であり、品質は変えていません。

一方、インスタント食品は、元の食品を乾燥や冷凍などの方法で加工しています。

粉末や固形にして、品質を変えた食品です。

レトルト食品とインスタント食品では、加工方法が全く異なります。

保存期間の違い

 

レトルト食品もインスタント食品も、長期間保存ができる点では違いはありません。

ただ、保存可能な期間が異なります。

レトルト食品は、高圧加熱殺菌でパウチの中を無菌状態にできるため、1年から2年の長期保存が可能です。

一方で、インスタント食品は、半年ほどしか保存ができません。

大手食品メーカーでも、カップのインスタントラーメンの賞味期限を6ヶ月と定めています。

長期保存ができるとはいえ、安心して食べるためにも、保存期間はチェックしておく必要があります。

 

調理方法の違い

 

レトルト食品は、湯煎や電子レンジで加熱して食べるのが一般的です。

一方、インスタント食品は、ほとんどが水やお湯を加えて元に戻してから食べます。

それぞれの食べ方の違いについても、理解しておきましょう。

レトルト食品と冷凍食品の違い

では次にレトルト食品と冷凍食品の違いについて説明します。

加工方法の違い

レトルト食品は高圧釜(レトルト)で120℃以上で加熱殺菌されています。

冷凍食品は食品を急速冷凍して保存性や品質を保っています。

急速冷凍は、食品の中心温度が最大氷結晶生成温度帯を速やかに通過するように急速に凍結させる方法です。氷結晶が小さく抑えられ、食品のダメージが少なくなります。

保存方法・保存期間の違い

レトルト食品は常温で保存が可能で保存期間は1年から2年の長期保存が可能ですが、冷凍食品は冷凍庫で保管し、おおよそ2~3か月といわれています。

冷凍庫のドアの開閉が多くなると温度の影響があるので保存期間が変わってくることがあります。

 

 

 

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まとめ

 

レトルト食品とインスタント食品は、保存ができることや便利に食べられる点など、似ているようでもそれぞれに違いがあります。

レトルト食品は、1年から2年の長期間の保存が可能で、温めるだけですぐに食べられる物、インスタント食品は、レトルト食品と比較すると保存期間は短いものの、水やお湯を注ぐだけですぐに食べられる物、と覚えておくとわかりやすいでしょう。

都給食では、長期保存がきいて便利に食べられるレトルト食品の事業をスタートし、さまざまな商品の開発に力を入れています。