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問題になっている「食品ロス」とは?
「食品ロス」とはまだ食べられるのに廃棄される食品のこと。消費者庁や農林水産省の定義ですが、世界中同じ認識です。
食品ロスはもったいないだけでなく地球環境にも悪い影響を与えています。食品ロスを含めた大量のゴミを処理するには、多額のコストがかかるからです。また、可燃ゴミして燃やすことでCO2排出などの環境汚染も引き起こしてしまいます。
日本での食品ロス年間総量は平成30年度推計値でなんと600万t!(参照元:農林水産省「食品ロスの現状を知る」https://www.maff.go.jp/j/shokusan/recycle/syoku_loss/161227_4.html)
日本人一人あたりに換算すると年間47㎏で、日本人一人一人が毎日お茶碗一杯のご飯を捨てている計算になります。国民の数は約1億2000万人ですから物凄い量ですよね。まだ食べられるものを捨てて限りある資源を無駄にする行為は、地球の未来を圧迫することにつながりかねません。
食品ロスの深刻な事態を受けて、令和元年に「食品ロスの削減に関する法律」(令和5年5月31日交付、10月1日施行)が制定されました。行政が食品ロスの減少を呼びかける時代なのです。
食品ロスには家庭の中で発生する「家庭系食品ロス」と企業やお店から発生する「事業系食品ロス」があります。年間の食品ロス600万tのうち家庭系食品ロスは276万tで、事業系食品ロスは324万t。つまり自宅で食品ロスを出さないようにするだけでなく、食べ物の販売店や外食でもロスを出さないように気をつけなければならないのです。
社員食堂でも「事業系食品ロス」が発生しているため、食品ロス減少に取り組まなければなりません。
社員食堂での食品ロスとは?
外食産業の一つである社員食堂の事業系食品ロスについて考えてみましょう。
調理ででるごみ
調理ででるごみの中にはまだ食べられるもったいない部分があります。食材を調理する際には、端の部分や重量不足部分も使いきるような取り組みが必要です。野菜の皮も薄くむくといいでしょう。
食べ残し
社員食堂で「お腹がいっぱいになった」「会話に夢中で食べられなかった」などの理由で食べ残す人は多いでしょう。まだ食べられるものを捨てるのはもったいないため、食べ切れる量だけ頼む癖をつけなければなりません。また、食べ切れなかった分を再利用できる容器「ドギーバッグ」に入れて持ち帰るのもいいでしょう。日本国内に「ドビーバッグ普及有為委員会」があるので、興味がある方はWebサイトをのぞいてみてください。
作りすぎ
食品を発注するときは品切れしないように多めに頼むため、食材が使いきれなかったり、作った料理が売れなかったりします。作りすぎて余らせた食べ物を捨てるのはもったいないため、どのぐらいの人数がどれぐらいの量を食べるのか把握することが大事です。
社員食堂での食品ロスを減らすには
社員食堂でのロスを減らすためには具体的にどのような取り組みをすればいいのでしょうか?
ビュッフェ方式を廃止
多くの食べ物を楽しめるビュッフェ方式は人気がありますが、食品ロスを防ぐためには廃止するべきでしょう。自分の好きなものばかり選ぶ傾向にあるため、多くの食品ロスがでる可能性があります。また、栄養も偏り勝ちです。
社員の出勤状況の把握
社員の出勤状況を把握することで、料理を過剰に余らせずにすみます。
天候や行事などを把握
食品ロスを減らすためにはその日の天候や行事などを把握することが不可欠です。雨の日は社員食堂の利用が多くなる傾向にあるなど、社員食堂の利用人数をある程度把握することで食品ロスを減らせるでしょう。
ご飯などは食べる量に合わせて提供
全ての人に同じ量のご飯を提供すると、たくさん食べたい人は物足りなく小食の人は食べ残してしまいます。大・中・小など各人の食べる量に合わせてご飯を提供することで、食べ残しが少なくなるでしょう。
メニューを定食方式にして飽きないようにする
ラーメンやカレー・丼ものなどの単品メニューは味が単調なので、途中で食べ飽きて残してしまうことがあります。また野菜をとりにくいため、栄養が偏るのもデメリットです。
定食にすれば、さまざまな味が楽しめて食べ飽きることがありません。栄養バランスも抜群なので活力が湧いて午後からの仕事を頑張れるでしょう。
まとめ
食品ロスの現状や食品ロスを減らすことの必要性についてお伝えしました。
食品ロスは今や世界的に深刻な問題で、日本でも行政が食品ロスを呼びかけています。
食品ロスを意識するのは実は簡単で、もったいないという意識を持ちさえすればいいのです。食品ロスの現状について知り理解を深めることで、ロスを少しでも減少させる行動につなげられるでしょう。
社員食堂の取り組みとしては、ビュッフェ形式を廃止し定食を取り入れることで食品ロスが減るだけでなく栄養バランスも良くなります。
さらにご飯やおかずの量が選べるようにすれば、自分の食べ切れる量だけ頼めるので食べ残さないですむでしょう。
一人一人のちょっとした努力が食品ロスを減らすのです。
1973年 京都府城陽市で創業
社員食堂の運営を通じて顧客の人財確保と福利厚生制度の充実に貢献。
「食文化の向上」を企業理念とし、給食を価値ある食事にしていき、深い信頼と絆でさらに長くお付き合い頂ける企業を目指す。
◆事業内容◆
事業所や厚生施設、官公庁の庁舎、研修所における社員食堂及び、大学や高等学校専門学校 の学生食堂を運営。中小企業(30~40人の小規模事業所等)の 社員食堂事業を新事業として展開。
主な得意先:HILLTOP株式会社(京都府)、株式会社神戸製鋼所、京セラ株式会社、京都産業大学、学校法人履正社、キユーピー醸造株式会社、キリンビール株式会社、他多数
◆実績・メディア掲載◆
ダイアモンドオンライン HILLTOP株式会社(京都府)様 取材
大阪中小企業投資育成株式会社 投資先企業
近畿経済産業局 関西企業フロントラインNEXT 新事業展開成功事例として取り上げられる