社員食堂が設置されている職場で働いているという人にとっては当たり前のことかもしれませんが、現在働いている職場に社員食堂がない、という場合はその存在価値があまり想像できないという人も多いかと思います。
安価で食事を摂ることができて、生活費の節約になりそうというのは誰しも思い浮かぶことですよね。
しかし、そもそもなぜ企業は高い運営費用を払ってまで、社員食堂を運営しようとしているのか、その理由を説明できないという人もいるかと思います。
今回は、社員食堂の運営方式や供食形態、そして導入することで企業はどの様な効果を得ることができるのか、導入の際の注意点も含めて見ていきます。
目次
社員食堂とは
社員食堂とは、企業が福利厚生の一環として経営している自社内に設置された食堂のことを指します。2019〜2020年の間に行われた「従業員が求める福利厚生ランキング」の結果を見てみると、社員食堂を始めとする食事・昼食補助は住宅手当・家賃補助に次いで2位と、トップクラスの人気であることが分かりました。
衣・食・住は社会で生活するにあたり、誰にとっても必要な存在であることを考えると、働いているすべての人に恩恵のある住宅手当・家賃補助と食事・昼食補助の人気が高いのは、当然の結果であるとも言えるでしょう。
特に日々の食事は、一日で一番の楽しみと考えている人も多いことを踏まえると、社員食堂の有無は社員の日々の喜び・生活の質に大きく影響してくるであろうことは間違いありません。
社員食堂の運営方式
企業が自社に社員食堂を設置しようと思った場合、大きく分けて3種類の経営方式の中から選ぶことができます。
ここでは3種類の経営方式、それぞれの特徴を紹介していこうと思います。
直営方式
企業が社員食堂を経営の一環として捉え、社員食堂に関わるすべてのことを自社で決定、運営していく方式のことです。社員食堂を運営するための費用を出すことはもちろん、自社内に社員食堂を設置するためのスペースを用意し、調理師、栄養士といったスタッフを雇い、メニューの内容、インテリアデザインなども自ら選定していきます。
準直営方式
企業が運営資金をすべて出すという点においては直営方式と変わりませんが、自社で運営を行うのではなく、社員食堂を運営するための会社を別に設立し、そちらに運営を任せてしまう方式です。
自社で運営を行わないので、経営陣が社員食堂の運営のために時間を取られることがなく、信頼できる人に任せてしまえることができるのがメリットとなります。
外部委託方式
専門の業者と契約し、調理、配膳、食器洗浄といった社員食堂で行う運営・管理の一部、またはすべてを委託して任せる方式となります。
上記したふたつの運営方式の様に、自社で様々なことを準備して経営を行うことがなく、負担が減るので、コストカットの効果を見込むことができます。
社員食堂の供食形態
ひとくちに社員食堂と言っても、現在では様々な供食形態があります。ここではそれぞれの特徴を紹介していこうと思います。
定食方式
多くの人が想像する、もっとも一般的な形式の社員食堂です。自社で考案したメニューが用意されていて、社員がその中から注文し食事を摂ることができます。
カフェテリア形式
ビュッフェ形式とも言います。事前に用意されている数十種類の主食・主菜・副菜・汁物・デザードなどの中から好きなものを自分で選び、組み合わせることができます。
フードコート形式
ショッピングモールなどに設置されているフードコートと同様に、複数の飲食店が併設されているので、その中から好きなお店で注文し、イートインのスペースを使って食事を摂ることができます。
ブランドコンセプト形式
外食産業の一社が、一箇所に複数のブランドの店舗を用意し、運営している方式です。
弁当方式
外部委託方式の専門業社と契約し、お店であらかじめ調理したものを配達してもらう方式です。社内に社員食堂のスペースを設けなくて良いので、安価な値段で社員に食事を提供することができます。
社員食堂を導入する効果は
社員食堂があると社員は安価な値段で食事を摂ることができ、社員たちは食費を浮かせることができるという以外にも、社員食堂はそれ以外にも多くのメリットが存在します。
まずもっとも大きいのは、企業が多くの社員の健康管理を行うことができる、ということです。社員食堂で提供されている食事のメニューは、栄養士が栄養バランスを考え考案したものであり、コンビニ弁当や飲食店の食事の様に、塩分やカロリー過多になったものではありません。
多くの社員に質の高い食事を摂ってもらうことで病気を事前に防ぎ、労働生産性を上げる効果が期待できます。
また、社員が外に出かけることなく食事を摂ることができるため移動する時間を短縮することができ、昼休みを有意義に使うことができるほか、多くの社員が集まるコミュニケーションの場としても利用することができます。
企業全体のコミュニケーションが活発になり、日々の労働のモチベーションが上がり、円滑に仕事が進む効果も期待できます。
他に、社員食堂を自社で持っていると、世間からのイメージが良くなるという効果もあります。外部の人との取引の際にも印象が良くなりますし、就職・転職活動を行っている人からも注目されるので、有望な人材の雇用も期待することができます。
社員食堂を導入する際の注意点
社員食堂を運営していく上で、もっとも注意しないといけないのが運営コストです。福利厚生の一環とは言え、毎月の運営で大きな赤字を抱えていては、企業に深刻なダメージを与えかねません。あくまでも自社の規模に見合った運営方式、供食形態を取りましょう。
また、せっかく社員食堂を設置しても、食事が美味しくない、メニュー数が少なくて飽きやすい、値段が高いなどの理由で社員があまり利用しなくなってしまうと、企業にとっては運営費用が無駄になってしまい、メリットがなくなってしまいます。
社員に喜ばれる食堂とはどんなものなのか、その形は企業の風土ごとにそれぞれ違うので、設置前によく考える必要があると言えます。
まとめ
社員食堂とはどの様なものなのか、運営方式や供食形態、その効果や注意点などを紹介してきました。
企業にとって多くのメリットをもたらすことが期待できる社員食堂ですが、その運営コストは高く、設置するにあたって多くの注意点も存在するため、事前に良く考えた上で導入する必要があります。
もし、コスト面やその他の問題点から、自社に社員食堂を設置するのに躊躇してしまっているという場合は、一度外部委託方式での社員食堂を選択肢に入れてみることをお勧めします。
外部委託形式ならコスト面で節約することが可能であり、現在は需要の増大から、質の高い食事を提供してくれる業者の数がとても増えてきています。
メニューも社員の好みに合わせて好きなものを選択することができますし、万が一設置後に不評だったとしても契約先を変更することができるので、導入しやすいかと思います。
以上の様に、社員食堂を設置してみたいけど課題点や問題点が多い、という企業は、一度外部委託専門の業者に相談してみることをお勧めします。
1973年 京都府城陽市で創業
社員食堂の運営を通じて顧客の人財確保と福利厚生制度の充実に貢献。
「食文化の向上」を企業理念とし、給食を価値ある食事にしていき、深い信頼と絆でさらに長くお付き合い頂ける企業を目指す。
◆事業内容◆
事業所や厚生施設、官公庁の庁舎、研修所における社員食堂及び、大学や高等学校専門学校 の学生食堂を運営。中小企業(30~40人の小規模事業所等)の 社員食堂事業を新事業として展開。
主な得意先:HILLTOP株式会社(京都府)、株式会社神戸製鋼所、京セラ株式会社、京都産業大学、学校法人履正社、キユーピー醸造株式会社、キリンビール株式会社、他多数
◆実績・メディア掲載◆
ダイアモンドオンライン HILLTOP株式会社(京都府)様 取材
大阪中小企業投資育成株式会社 投資先企業
近畿経済産業局 関西企業フロントラインNEXT 新事業展開成功事例として取り上げられる