2015年にマンパワーグループが行った会社の福利厚生で良いと思うものについての調査結果によると、「食堂・昼食補助」が33.9%を占めました。

この記事では福利厚生として従業員満足度(ES)の向上に役立つ社員食堂について説明します。

社員食堂(従業員食堂)とは?

 

最初に社員食堂の仕組みについて解説します。

社員食堂とは?

社員食堂とは会社の従業員向けの食堂のことを言います。

社員食堂を導入する方式3つ

社員食堂を導入する方式は次の3つです。

①直営方式
企業が栄養士などのスタッフを直接雇用し会社事業として運用・管理を行う方式

②準直営方式(準委託方式)
給食会社を立ち上げその会社が運用・管理を行う方式

③外部委託方式(アウトソーシング方式)
委託された会社が給食業務の一部、または全部を運用・管理する方式

会社の規模、業種、立地などに合った方式が選ばれます。

http://azcoow1.kir.jp/miyako/shain-shokudou-dounyu/

 

費用の負担方法

社員食堂における費用の負担方法は次の5つです。

①全額を会社が負担する場合

②食材費の一部を従業員が負担する場合

③食材費全部を従業員が負担する場合

④食材費の全部と間接費(人件費など)の一部を従業員が負担する場合

⑤全額を従業員が負担する場合

会社と従業員の負担割合について、社員食堂の設置前に決めておきましょう。

清算方式

社員食堂における清算方式は次の5つです。

 ①現金(食券制と直接支払い)

②記名名札式

③記名カード式

④回数券式

⑤身分証明式

複数の清算方式を取り入れて従業員の利便性を高めたり、キャッシュレス化を促進したりする企業もよく見受けられます。

配膳方式

食事を提供する方式は外部委託化が進み多様化してきています。

①定食方式
定食屋のようにトレーの上に主食や副菜を並べて提供される方式

②単一献立方式
メニューを一種類の定食のみとする方式

③複数献立方式
複数の定食の中から選択できる方式

④カフェテリア方式
主食・主菜・副菜・汁物・デザートを20~30種類ほど用意し自由に料理を選択できる方式

⑤フードコート方式
中央のスペースに複数のファストフード店が出店した上で共有の座席を設ける方式

⑥ブランドコンセプト方式
外食産業の1社が1か所に複数のブランドを出店して運営する方式

⑦弁当方式
お弁当を販売する方式

この他にもバイキングやデリなど従業員のニーズに合わせて増加しています。

 

社員食堂を福利厚生に導入するメリット

 

次に社員食堂を福利厚生に導入するメリットを従業員、企業両方の側から説明します。

従業員の満足度

従業員の昼食にかかる費用を抑え、オフィスから外出しなくても美味しい昼食が摂れることで従業員満足度(ES)の向上が期待できます。

従業員の健康管理

外食では栄養バランスの整った定食型の食事より、丼物やハイカロリーなファストフードなどの人気が高い傾向にあります。
社員食堂があれば従業員がこのような食事ばかりを摂るのを防ぐことができるのです。

従業員のコミュニケーションの向上

社員食堂があれば普段話をしない別の部署の従業員同士も会話をすることができます。
新しいビジネスアイデアが生まれる可能性もあるため、昼食という肩の力が抜けた時間でのコミュニケーションが図れる社員食堂のメリットは大きいと言えるでしょう。

企業のイメージアップ

最近では従業員の評価が高い社員食堂は、よくメディアに登場するようになりました。
このような社員食堂は企業のイメージアップにもつながります。

 

社員食堂を福利厚生に導入する際の注意点

 

社員食堂を福利厚生に導入する際の注意点を4つご紹介します。

コストがかかる

特に直営方式の社員食堂がそうですが、運用に莫大なコストがかかります。
必ず費用対効果を考えて設置することが大切です。

スペースや設備が必要

新しい衛生基準「HACCP」が義務化されてから厨房環境基準はより厳しくなってきています。
社員食堂における厨房面積は0.4m2/食以上が目安とされますが、安心で美味しい食事を提供するためにも、作業する人にとって安全なスペースや衛生的な設備は必須であることを覚えておきましょう。

http://azcoow1.kir.jp/miyako/shainsyokudou-eiseikanri/

給与課税対象にならないように

①社員食堂利用者が価格の半分以上を負担していること
②月々の会社負担額が税抜きで1人あたり3,500円以下であること
上記2点を満たすと社員食堂の会社負担分を福利厚生費として計上できるので給与課税対象とはなりません。

http://azcoow1.kir.jp/miyako/syain-shokudou-kyuyo-kazei/

 

従業員のニーズに合っているか

2018年に株式会社リクルートライフスタイルが行った調査では、社員食堂へのニーズが「旬の食材の提供」26.9%、「ビュッフェ形式」19.6%、「サラダバー」17.4%と細かく分散する傾向にあることがわかりました。
そのため社員食堂を企画する前に、一度従業員アンケートを社内で行いどのようなニーズが高いのかを把握してから行うとより従業員満足度を高めることができるでしょう。

まとめ

 

福利厚生として社員食堂は人気が高いため、導入すると従業員満足度や企業価値を高めることができる付加価値の高い設備であることがわかりました。
時には外部の専門会社のアイデアや専門知識も借りながら、よりよい社員食堂を作ってみてください。